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特別カメラ講座その4:構図の解説・・・日ノ丸/三分割/シンメトリー/パターン/対角線/インスタグラムで人気の構図

2017年8月23日

この短期集中スマホカメラ教室も第4回目で、折り返し地点です。
今回は福田先生のインスタグラム講座でもお伝えがありました「構図」についてです。
これも先に結論を言ってしまうと「三分割構図」だけをマスターすれば、それだけで十分。
ですが、それ以外の基本的な構図もお伝えしますので、ご自分の気に入った構図を見つけ出して頂けましたら幸甚です。

日ノ丸構図



どうですか?見せたいものを中央に持ってくる撮り方です。
とてもわかりやすいですよね?
日ノ丸構図は「証拠写真」と言われる事があります。これは一番理解しやすくて、クセが無くバランスも取りやすい。逆の言い方をすると、それだけ味気がない構図とも言えます。
グリッドの真ん中の四角に主人公を持っていく事で安定した写真に仕上がります。
初心者が一番多く撮影するのが、この日ノ丸構図です。何故なら、普通のカメラで撮影をしようとする時、ピントは真ん中に合うような設定になっていますので、主人公にピントを合わせたかったら必然的に真ん中に主人公がきてしまいます。
ポツンと真ん中に主人公がたたずんでしまい、味気のない写真になってしまいまうのが、この構図が写真の基本となりますので、先ずは日ノ丸構図をマスターしてから他の様々な構図にもチャレンジしてみましょう!

三分割構図




三分割構図は、日ノ丸構図をマスターしたら次にチャレンジしてみたい構図です。
カメラの仕様にもよりますが、グリッド線を出すと撮影しやすい。グリッドの出し方は前の項でお伝えしておりますのでご確認ください。画面を左右三分割、上下三分割にして交点するグリッドの角4つのいずれかに主人公を持っていくことにより、空いている空間を使って何かを表現する事ができます。
レンズの手前に何かを大写しにする事を撮影用語で『ナメる』と言いますが、手前にピントを持ってきて、奥のピントをぼかす事で主人公が浮き立ってくるように表現が可能。
それから、例えば、どこかに旅行に行ったとして、場所の説明的な写真を撮る。または、イベントや、セミナーなどで大人数を撮影して、自分もさり気無く溶け込みたい時などの時も有効な構図です。
主人公と景色や、大勢の人物写真の中で嫌味なく自分を際立たせる事も出来ます。手前に人物、奥に風景などです。ポートレート、風景、物撮りなど幅広く応用が利きます。
僕が自撮りをする時は、ほとんどこの構図です。詳しくは自撮りの項で説明いたします。

シンメトリー構図


シンメトリー構図は左右もしくは上下が対称となっている構図です。
日本人の特性として、左右対称が好きな印象を受けます。
シンメトリーとは左右が対象になって絵や、建造物のこと。日本は神社仏閣が多く、神社仏閣は基本的にシンメトリーな構造が多いのです。ですから、日本人のDNAに染み込んでいると言っても良い構図なのです。そして、シンメトリーは写真としても見た目のバランスが良く、安定感や安心感を感じる事が出来ます。
日本的な美しさや侘び寂びなどを表現したい時に最適な構図だと考えます。なぜなば、やはり神社仏閣を無意識的にイメージしてしまいがちなのでこのような傾向にあると思えるからです。三分割構成をマスターしたら次にチャレンジしたい構図ではないでしょうか?

パターン構図


パターン構図はヨーロッパの古い建物や街並みに例えられる。
同じ形で同じ大きさの窓が均等に並んでいる修道院の窓などがこれにあたります。それから、ヨーロッパの石畳もパターン構図かな?基本的に、上下左右、均等に何かを配置する時に使いやすい構図。個人的には一番クセがない構図とも言えます。
例えば、手作りアクセサリーなんかの商品撮影や、カタログなどが代表的なパターン構図。規則正しく並んでいるときは、真正面や真上から撮るとすっきりした雰囲気になります。
ネット通販などで商品を紹介したいと思ったら、取り敢えず商品を上下左右均等に配置して、真上から撮影して見てください。被写体の美しさや特徴、リズム感が表現が出来ますので、見る人の心を惹きつける写真になります。一番クセがない構図ですが、言い換えれば一番主張がない、もっと言えば、一番つまらない事務的な構図とも言えます。
僕がお勧めするならば、BBQの食材などを撮影する時、この構図が良いかも。一枚の写真でたくさんの情報(被写体)を撮影したい時に最適で、説明的な写真に用いると解りやすい構図だと考えます。

対角線構図


対角線構図はドラマチックな構図と言えるでしょう。
今までの構図は、基本的に真正面から撮影しています。手前から奥に少し角度をつけてみるのが対角線構図です。この灯篭のように対角線の上に被写体が置いた構図のポイントは、奥行きや臨場感が出せることが特徴です。道や線路を撮る時に、シンメトリー構図や三分割構図と並んで使える構図であり、ローアングルから撮影すると強調しやすいと考えます。
背景の無い(アメリカの荒野など)風景写真を撮影するならばこの構図が最適でしょう。

日ノ丸+対角線構図の組み合わせ


人物写真で、意思を感じさせる場合にはこの構図がお勧めです。
この写真は、僕の妻を何気なく撮影した一枚です。線路が対角線構図になっていて、人物は日ノ丸のど真ん中に配置しています。この写真は夕景+構図が相まってアートっぽくなっていますが、実はピンボケで、手ブレを起こしています。
それを凌駕する構図の力で、無理やりアートっぽくしているのです。実はこれ、カメラマンとしては負けの写真です。なぜなら偶然撮れてしまった写真だから。狙ってブレボケ写真にするのと、そうなってしまうのでは雲泥の差があります。
ですが、写真には『たまたまです』とか『狙いです』なんて書かれていませんから、シャッターを切る時は常に構図を頭に入れて撮影することをお勧めします。
単なるブレボケ写真になるか、作品になるかは、構図が大きく関わってくるのです。ブレボケ写真については前の項で説明してありますので、復習の意味でもお読み下さいませ。

インスタグラムで人気の構図


インスタグラムでフード系の写真を撮影する場合、真上から撮影すると反応が良い傾向にあります。
真上から撮影する時の注意点ですが、出来るだけ影が出ないライティングを考えて撮影し、その上でフィルターワークも必要となってきます。ちなみにこの構図では、明るくて、コントラストが少ないフィルターが好まれがちです。
インスタグラム上では『かわいい』『カッコいい』『素敵』『憧れ』がイメージできる写真が反応良いと思われます。

まとめ

様々な構図をご紹介しましたが、冒頭に述べたように「三分割構図」だけでも、頭に入れておけば、素人写真からは卒業できると思います。
このほかにも写真の構図の種類はたくさんあります。ですが、あなたが良いと思った構図があなたのオリジナルの構図。
先ずは「日ノ丸構図」で構いませんから、色々な物をたくさん撮影してテストしてみましょう。
昔のフィルムカメラと比べてデジカメになって、しかもスマホカメラになってからは写真に関わる金銭的な負担は限りなくゼロになっています。
日ノ丸構図をマスターしたら「三分割構図」だけでも頭に入っていれば、一気に写真上級者になれます。
次回は、撮影した写真(データ)をどう加工するか?フィルターワークについてです。

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