アートな歯医者のちょっと為になる話

「この歯はもうダメです」で諦めるのはまだ早い!?今なら残せる治療の進歩!

「週末は、家族で広ーいところに行って思いっきり体を動かす!」

これは、ここ数週間で新たに加えられた村上家の決まり事です。

 

最近のコロナウイルスへの対策で、子供たちの活動はかなり制限されています。ウチにも二人の息子がいますが、いつもと違う生活のせいで少なからずストレスを受けているようです。

コロナ対策の影響で社会の活動は鈍くなっても、子供の成長は待ってくれません。子供本来の体と心の成長はできる限り、引き出してあげたいですよね。

 

そんなコロナウイルスを含めたほとんどの微生物は、口から入ってきます。

 

実際に、「口の中の細菌の出す酵素によりウイルスが定着・繁殖する手助けをしている」という報告もあります。自分の身を自分で守るためにも、日々のお口のケアをしっかりしていきましょう!

 

今回のテーマは「進行した歯周病治療と虫歯治療の進歩」です。

 

30年前は抜かないといけないと言われていた歯が、今は残すことが可能になっています。しかし、治療技術や設備の問題もあり、全ての歯科医院でできるとは限りません。

 

皆さんや、ご家族が「この歯はもうダメです」と言われた時に、村上がコラムでこんな方法があるって言ってたなーという知識が役に立つ時がいつかくるかもしれません。ぜひ、読んで頂き、頭の片隅に置いて頂けると幸いです。

 

歯周病でこの歯は抜かなきゃダメですね…

これまではそうだったかもしれません。

しかし、様々な治療方法が確立してかなりの歯が残せる時代になっています。その中でも、進行した歯周病に対する治療方法の進歩は素晴らしいです。少しご説明していきたいと思います。

 

歯周病の基本的な治療の限界

歯石除去率の棒グラフ歯周病の治療の基本は、

  1. プラークをとること!
  2. プラークを付きにくくすること!

歯石取りの必要性については前回のコラムをご説明しました。軽度の歯周病も重度の歯周病も、その治療の基本は変わらないのですが、その進行度によりその効果が大きく違うのです。

 

上のグラフは、歯石取りに関する研究データです。進行した歯周病の奥歯を歯石取りした時、専門医でも半分程しか取りきれず、一般歯科医では2割程しか取れていないのです!つまり、進行した歯周病は基本的な治療では、完全に治癒しないのです。

 

それでは、重度の歯周病になってしまった歯は、治療方法がないのでしょうか?

 

いや、大丈夫です!まだ、治療方法は残っています!

 

えっ?歯周外科手術!?

歯周外科手術の手順模型

「歯周外科手術」なんて言われてら、ちょっとショッキングなワードですよね!?私もお医者さんに「手術」って言われたら腹の底から怖いです。

 

医学用語の分類では、手術に属する治療なのですが、お腹を開く手術をしている外科医の先生からするとそれって手術なの?と言われるかもしれません。

入院する事もありませんし、全身麻酔もしません。歯を削る時に使う麻酔で、日帰りで行います。まあ、と言われても手術って怖いですよね。

 

上の写真は、模型で行う歯周外科手術の実習の時の写真をまとめたものです。

実は、歯周病専門医でも歯石が半分しか取りきれない理由は、歯石が歯肉(歯茎)の下に隠れていて見えないからなのです。

 

この歯肉(歯茎)の下がこんな形になっていて、どこに歯石があるかは器具による触診とレントゲン写真による診査で判断します。しかし、これには十分な経験とトレーニングが必要な上に、そうやって技術を磨いた専門医でさえ取り残してしまうのが実状です。

私たちは必要に応じて、歯肉(歯茎)の下の歯石が確実に見えるように歯周外科手術を行うことで、歯石を完全に取ることは可能です。これによりプラークが付きにくい環境に改善できます。

 

歯周組織再生療法

歯周病の模型

近年のIPS細胞を利用した、再生療法の研究は目を見張るモノがありますが、歯周病においても、再生療法は時代の流れの中で進歩しています。

 

先ほどの歯周外科手術により、歯石を取り残すことなく出来ることは説明しましたが、これだけでは失われた歯周組織(特に歯を支える骨)はあまり回復しません。歯周外科手術を行う時に、歯根(歯の根っこ)の表面に歯周組織再生材料を使うことで、失われた組織の再生を促すことが出来るのです。

 

再生療法…人体の組織が欠損した場合に、体が持っている自己修復力を上手く引き出して、その機能を回復させる医療行為。

 

他にも、歯周組織再生療法に使われる材料はいくつかあり、材料によっては保険外診療に当てはまるものもあります。それぞれに特徴があり、値段も異なりますので疑問があればしっかり説明してもらいましょう。

もし、あなたが重度の歯周病で歯を抜かなければいけないと言われた時は、抜歯という選択肢も含めて慎重に治療方法を選択されてください。

 

虫歯が進行しすぎて、この歯は抜かないとダメですね…

「虫歯が深くて歯を抜かないといけないと言われたのですが、本当に他に方法はないのですか?」

これも比較的よくある相談です。

 

状況にもよりますが、私がこれまで受けた相談では、意外と残る歯が多いです。

ただ、そのままの状態では抜歯しなければいけないのですが、ひと工夫することで救うことができる歯は多く存在します。

 

歯を引っ張り出して保存する!

矯正的摘出のイラスト

歯肉(歯茎)の下まで虫歯になっている歯は、基本的に虫歯の治療を完璧に行うことは不可能です。これは虫歯の治療に使う材料がうまく固まってくれません、たとえ埋めたとしても血液と唾液に曝されて、すぐにまた虫歯になるのがオチです。

 

では、どうしたらうまく治療出来るのでしょうか?

 

答えは簡単、「虫歯の部分を歯肉(歯茎)の上に引っ張り上げればいいんです!」上の図のように、矯正力(歯を動かす力)を与えて引っ張り上げます。

 

専門用語では、「矯正的挺出」と言います。残念ながら歯の移動に関しては、保険外治療に含まれますが歯を抜くよりかは断然いいと思います。

 

「矯正」と聞くと大変そうなイメージですが、基本的に一本の歯を動かすだけなので、そこまで時間と労力はかかりません。私のクリニックでは、比較的多くの方が受け入れてくださる治療です。

 

「矯正的挺出」ぜひ覚えておいて欲しいキーワードです!

 

歯の根っこの悪いところを取って保存する!

外科的処置により治療したイラスト

進行した虫歯は、知らないうちに細菌の巣窟(そうくつ)となっています。知らないうちに歯の根っこの先端に膿の袋を作ります。こうなると治療をしてもなかなか治らず、噛むと痛みや違和感がいつまでたっても残ることがあります。

 

歯の根の治療=根管治療を行いますが、それでも治らないときは、膿の袋を外科的に摘出します。

 

この時、歯科用顕微鏡を使うことにより確実に感染源を除去できます。また、CT撮影ができるとより確実に治療を行う事ができます。しかし、CTと歯科用顕微鏡が両方備えられているクリニックはなかなかありません。さらに、その両方を使いこなせる歯科医はもっと少ないと思います。

 

歯石を確実に取るために歯周外科手術を行うように、今後、根管治療を行う時にCTと歯科用顕微鏡はスタンダードになりつつあります。

 

「CTと歯科用顕微鏡を使用した歯内療法」これも覚えておいて欲しいキーワードです。

 

虫歯の進行に関しては以前のコラムを参考にされてください!

 

歯の根っこの穴を埋めて保存する!

MTAセメントで穴を埋めた歯のイラスト

「歯の中に穴が開いているので、抜かないと痛みはとれません。」

 

虫歯の進行や歯にかかる力によって、歯の内部に穴や亀裂が入る事があります。こうして生じた小さな隙間には細菌が繁殖して、歯周組織を破壊します。この穴をパーフォレーションと呼び、これまでその治療方法に確実なものはありませんでした。

 

ここ10年程で、あるセメントの有効性が確実になってきています。そのセメントは、「MTA」と呼ばれるもので、工業用のポートランドセメントに似たものです。これまでのパーフォレーションを埋める材料と違って、膨張しながら硬化するセメントで非常に封鎖性に優れています。

 

私もかなりの頻度で使いますが、治療成績はいいと思います。このセメントにより助ける事ができた歯は数多くありました。

このMTAセメントは、なかなか操作性が悪く、ある程度の技術と経験が必要です。どこにでも置いている材料ではないですし、基本的に保険外診療の対象になる事が多い材料なので、これまであまり普及していませんでした。しかし、現在はかなり使用しているクリニックは増えていると思います。

 

「MTAセメント」も覚えておいて欲しいキーワードですね。

 

「労力を惜しまずに安心できるかかりつけを」

今回は、「抜歯しないですむ方法はありませんか?」という質問の中で、比較的多いものにフォーカスをおいてお話をさせて頂きました。

 

私なりに、これまで歯の保存にこだわって診療をしてきました。(福岡歯科大学では保存・歯周病科の医局長でしたから…)。ただ、そんな私でもこの世の中には知らない治療方法が存在するかもしれません。

 

これだけ歯科医院がある時代です。自分が納得いく治療、納得がいく説明をしてくれる歯科医院を選ぶことも皆さんの権利だと思います。

大事な歯を守るために、しっかりと診てもらえるかかりつけ探しには労力を惜しまないでください。

 

 

 

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福岡市早良区飯倉育ちで二児の父、むらかみひろし歯科医院の院長です。 『患者さんにベストと考えられる治療の提供』 『患者さん個別のメインテナンスプログラムの構築と提供』 をコンセプトに地域の皆さんが気軽に通えるような『アートな歯科医院』を開院しました。 これまでの「削る」治療型の歯科医院ではなく、「守る」メインテナンス型の歯科医院です。 歯科医院を歯が痛いから行く場所ではなく、健康であることを確認しに行く場所にしたい。みんなの笑顔があふれている場所になれるようにこれからも発信していきたいと思います。
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