アートな歯医者のちょっと為になる話

歯並びは遺伝で決まる!?いや、今あなたがしているそのクセで決まるんです!

「お宅のお子さんは歯並びは心配ないですね、ご両親とも歯並びがいいから。」

なんて、会話を耳にすることがあります。さて、本当にそうなんでしょうか?

 

歯並びを決める要素を簡単に分けると次の3つです。

  1. 歯の大きさ
  2. 顎の大きさ
  3. 唇・頬・舌のバランス

そのうち、遺伝が関与しているのは実は多くて20%程度、研究者によっては2%〜5%と主張する方もいます。では、歯並びはどんな要素で決まっていくと思いますか?

今回のコラムから、「歯並び」をテーマに数回に分けてお話をしたいと思います。

まずは、私たちの歯がどうやって今の歯並びになったかを考えてみましょう!

 

歯並びを決める要素

その1「遺伝」

人間の体というものは先祖から受け継いだ「遺伝情報」を基に構成されます。お父さん、お母さんだけでなく、お爺さんやお婆さんの代からの情報も引き継いでいるわけです。体質・骨格・肌の色・髪の色・目の色などと同様に、歯並びを構成する要素として顎の大きさや歯の大きさなどの情報が発現されるのですが、これはあくまで傾向なのです。

 

ある双子の兄弟の歯並びを比較した報告があります。

二人とも虫歯に関しては、定期検診に通っていたので問題なかったのですが、二人の歯並びは全く違っていました。兄は矯正学的な観点から見ても正常でキレイですが、弟は叢生(そうせい:歯並びが凸凹、ガタガタ)で歯並びに問題がある状態でした。

 

一体なぜでしょう?

 

背格好もほぼ一緒で、顔も見間違えるほど似ています。ただ、二人の間には一つだけ大きな違いがありました。それは、指しゃぶりです。

歯並びがキレイになる傾向をもつ一卵性双生児の二人なのですが、生まれた後の環境の違いで歯並びが大きく変わってしまいました。

 

遺伝による引き継がれた情報も歯並びを構成する要素なのですが、もともとは歯並びがキレイになるように設計されているというのが、今の大方の考えです。実は遺伝的な要因はあくまで傾向で、遺伝よりも環境の違いが歯並びを悪くするのです。

 

その2「顎の発育」

皆さんもご存知だと思いますが、歯は顎の骨から生えてきます。特に歯が生えてくる部分の骨を歯槽骨と呼びます。正常な顎の成長には適度な刺激が必要で、それがものを噛むという刺激です。

 

噛むという刺激が歯→歯槽骨→顎へと伝わり、正常な顎の成長を促します。

 

最近の日本の食文化は欧米化が進み、以前に比べて根菜類を食べる機会が少なくなり、軟食が増えています。それにより、噛む機会が減少して顎に伝わる刺激も少なくなってしまい、結果として顎が十分に発達しない子供たちが増えてきているのは事実です。

 

乳歯と永久歯の大きさは全く違います。未就学のお子さんがいらっしゃるご家庭であれば、ぜひ、ご自分の永久歯とお子さんの乳歯の大きさの違いを確認してみてください。6歳頃から歯の生え変わりが始まりますが、それまでの間にしっかり噛むトレーニングが出来ていると、歯と歯の間には隙間が出来てきます。

この隙間が、乳歯と永久歯の大きさの違いを調整するスペースになり、キレイな歯並びへ導いてくれるのです。

 

その3「虫歯」

「えっ?虫歯は関係ないでしょ!?」っと思われる方も少なくないのでは…。

実は、乳歯の虫歯はその下から生えてくる永久歯に大きな悪影響を与えます!

乳歯には、歯の交換期(歯が生え変わる6歳から14歳くらいの時期のこと)において大きな役割があります。

  • 永久歯の道しるべ
  • 永久歯の生えるスペースの確保

乳歯が虫歯になることによってこの二つの役割が不十分になり、歯並びに影響してくるのです。乳歯の虫歯は進行が早く、放置するとあっという間に歯が溶けて無くなってしまい、永久歯の生えるスペースをどんどん奪っていきます。

 

さらに、虫歯が歯の中の神経を蝕んでしまうと、道しるべの役目が果たせなくなります。進行した虫歯の乳歯の下にある永久歯は、それを避けようとして生えてきます。つまり、永久歯は乳歯の真下から生えずに、ベロ側もしくはほっぺた側から生えてきて歯並びを悪くするのです。

 

その4「悪習癖」

歯並びに悪い影響を与える習癖=「悪習癖」

あまり耳にしない言葉だと思いますが、成長期の歯並びに影響する要素としては最も重要で、これにより歯並びが決まると言っても過言ではないと思います。

  1. 指しゃぶり
  2. 口呼吸、いびき
  3. 頬杖
  4. 横向き寝、うつ伏せ寝
  5. 唇を噛む癖
  6. 爪を噛む癖
  7. 片咀嚼(同じところで食べる癖)
  8. 舌癖(舌の非機能的な動き)

簡単に分類してもこんなにあるんです!

「悪習癖」って言われるとイメージができなかったかもしれませんが、よく知っているクセがたくさんあるのではないでしょうか!?

私も含めて、皆さんにも当てはまることがあると思います。その悪習癖の種類や程度、時間などにより少なからず歯並びに影響を与えているのです。

日常を見直してみましょう!

縄文時代の日本人と現在の日本人の歯と骨格を比較すると、両者には明らかに違いがあることがわかっています。そこには時代時代の食生活、生活様式の違いが関わっていると考えられています。

また、最近の研究では、日本人の栄養状態の変化により以前に比べて歯が大きくなっているとの報告もあり、歯がキレイに並ばない条件が増える傾向にあります。

 

あなたとあなたのお子さんたちの日常生活を見直してみてはいかがでしょうか。

  • しっかり噛んで食べてますか?
  • 虫歯と歯周病のチェックを定期的に行っていますか?
  • 歯並びに影響するような癖がありませんか?

 

次回は、もっと掘り下げて「歯並び」についてお話ししようと思います。

 

 

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村上弘
村上弘
福岡市早良区飯倉育ちで二児の父、むらかみひろし歯科医院の院長です。 『患者さんにベストと考えられる治療の提供』 『患者さん個別のメインテナンスプログラムの構築と提供』 をコンセプトに地域の皆さんが気軽に通えるような『アートな歯科医院』を開院しました。 これまでの「削る」治療型の歯科医院ではなく、「守る」メインテナンス型の歯科医院です。 歯科医院を歯が痛いから行く場所ではなく、健康であることを確認しに行く場所にしたい。みんなの笑顔があふれている場所になれるようにこれからも発信していきたいと思います。
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