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侮るなかれ!細菌進入の最前線!唾液の力を100%引き出すポイント!!

2021年5月20日

人は日常的に様々なウイルス・細菌たちにさらされていますが、この微生物たちのほとんどは口から体の中に入ってきます。人はそんな小さな侵入者に負けないために最前線で働いてくれているのが唾液です!

今回のテーマは唾液です!
唾液にはたくさんの役割があります。先ほど触れたように免疫機構の最初のアタッカーとしても働いていますが、そのほかにも人が生きていくのに大事な働きがたくさん!!そんな唾液の力についてお話しようと思います。

唾液の力と役割とは!?

さっと書き出すだけでこのくらいの作用が唾液にはあります。
ヒトがものを口にしてから飲み込むまでの間に、効率的に栄養を取り込むための補助的な働きをしているのはもちろんですが、他にも様々な働きをしてくれています。

その中でも唾液に特有の3つの働きについて詳しくお話しようと思います。

抗菌作用

口は常に外界と交通しており、日常的に細菌やウイルスに曝されています。しかし、そんな微生物たちに対抗して、感染が成立しないように知らないところで10種類以上のもの唾液に含まれる成分が働いてくれています。

その中でも、

  • リゾチーム(溶菌酵素)
  • ラクトフェリン(多機能タンパク質)
  • IgA(免疫グロブリン=免疫物質)

などが中心となって感染から人間を守ってくれています。これらの成分は特定の細菌・ウイルスに効果を示すのではなく、体に侵入しようとする全ての微生物に働くのでとても重要な役目を担っています。つまり、感染防御の最前線で働いているのです!

緩衝作用

緩衝…一般的に外部からの衝撃を和らげ、一定の状態を保つ働きのこと。
口の中には様々な刺激物が入ってきますが、その中でも酸性のものは歯を溶かしてしまいます。唾液は口の中が酸性に傾いたときに、中性に戻るように働き、歯が溶けるのを防ぎます。これが唾液緩衝作用です。

実際、唾液の性状は個人差があります。この緩衝作用の強さ=緩衝能と言いますが、緩衝能が低いと歯の表面が溶けてしまい、その表面に細菌が定着して虫歯歯周病を進行しやすくなる危険があります。

しっかり磨いているのに歯周病虫歯に悩まされている方は、もしかしたらこんなところに原因があるかもしれませんね。

再石灰化作用

以前のコラムでもお話しましたが、歯は日々、脱灰(歯が溶ける)と再石灰化(歯が修復される)を繰り返しています。脱灰虫歯菌が作り出す酸や酸性の強い飲食物で引き起こされ、再石灰化は唾液中に含まれるカルシウムやリンによって引き起こされます。

唾液虫歯菌の繁殖を抑えるだけではなく、虫歯菌や酸で溶かされた歯を修復する重要な作用を持ち合わせています。この再石灰化が起きている時間が長いほど、歯は強化され、虫歯になりにくい歯になるのです。

お口の環境が良いと、30歳から40歳くらいの間でかなり成熟して虫歯に高い抵抗性を示すようになります。こうなると、新たに虫歯ができることはほとんどなく、虫歯で歯を失う可能性はほぼ無くなるのです。

唾液の力を引き出すには!?

唾液は過酷な環境に曝されている口の中を少しでも改善しようと懸命に湧き出てくれます。そんな健気な唾液の力を十分に引き出すためにできる私たちにできることを少しまとめてみましょう!

唾液を増やす!

何より量!
まずは唾液の量を増やしましょう!

成人で一日あたり1〜1.5ℓの唾液が作られますが、そのピークは30歳くらいでその後は減少していきます。また、加齢や服用薬の影響を受けやすく、70歳台になるとピーク時の3割程度になってしまします。

唾液量を増やすためにできることは

  • 水分補給
  • よく噛む
  • 舌をたくさん動かす
  • 耳の下・顎の下をマッサージして唾液線を刺激する

唾液は基本的に刺激をすればするだけたくさん出るようになります。また、唾液線は筋肉に似た組織で年齢を重ねても鍛えることが出来ます。気軽に出来ることですので日頃から意識してみてください。

歯と歯茎をピカピカに!

唾液が十分に歯を再石灰化するためには唾液が歯の表面を覆うことが大前提です!つまり、歯の表面が綺麗な状態でないと再石灰化は起きないのです!

やっぱり、歯磨きは大事ですね。
歯の表面に細菌や食べかすが付いているとその下の歯は再石灰化しません。日々のブラッシングとフロス・歯間ブラシが歯の再石灰化には欠かせないのです。

また、食べ物をしっかり噛んで飲み込むことで歯の表面の汚れはある程度流してくれます。そのためには上下の歯がしっかり噛んでいないとうまく流れてくれません。一部の歯に虫歯があったり、被せ物が取れていたり、入れ歯を付けていなかったりするとその自浄作用を十分に得ることが出来ません。しっかり噛めるように治療をすることも大事ですね。

まとめ

赤ちゃんの唾液の量はその大きさに比べると異常なほどたくさん出てきます。これはなぜでしょう?

赤ちゃんは成長の過程でなんでもの口に入れようとします。これは手・足・目・鼻の感覚が未発達で「もの」を認識するために最も感覚が鋭い・口を使っているからなのです。なんでも口に入れてしまうと細菌・ウイルス・毒なども取り込むことになりますよね?そんなリスクを少しでも軽減するために無限によだれが出るのです。

小さな時から体に侵入する全てのものに対して防御するように働いているのです。少し唾液のことに見直してもらえる機会になったら嬉しいです。
唾液は何も言わずに口の中を覆って私たちをも待ってくれる可愛いやつですから。

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Profile

村上弘

村上弘

福岡市早良区飯倉育ちで二児の父、むらかみひろし歯科医院の院長です。 『患者さんにベストと考えられる治療の提供』 『患者さん個別のメインテナンスプログラムの構築と提供』 をコンセプトに地域の皆さんが気軽に通えるような『アートな歯科医院』を開院しました。 これまでの「削る」治療型の歯科医院ではなく、「守る」メインテナンス型の歯科医院です。 歯科医院を歯が痛いから行く場所ではなく、健康であることを確認しに行く場所にしたい。みんなの笑顔があふれている場所になれるようにこれからも発信していきたいと思います。