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虫歯予防の最大のチャンス!?歯の生え変わりの今しかできない「歯育て」!

2020年9月26日

今回のコラムは、「歯育て」シリーズ第4弾!!
今回は永久歯が生え始める、6歳から12歳までの時期の「歯育て」についてお話したいと思います。

6歳頃から、永久歯が子供のお口の中に顔を出し始めます。
永久歯は乳歯と比べて大きく、形態も複雑な上に、生えて間もない時期は脆く非常に虫歯になりやすいのです。この時期が歯を強化する最大のチャンスですので、「歯育て」も合わせてしっかり見守ってあげましょう!

生えたばかりの永久歯を守れ!

笑顔の少年皆さん、「6歳臼歯」という言葉をご存知でしょうか?
6歳頃になると、生え揃った20本の乳歯のさらに奥に大きな歯が生えてきます。これが6歳臼歯と呼ばれる一番最初に生えてくる永久歯です。お子さんによっては先に下の前歯が抜けて永久歯が生えてくる子もいますが、個人差があるので特に問題はありませんのでご心配なく。
生えたばかりの永久歯の特徴を理解して正しく効率よく守りましょう!

生えたての永久歯は脆い!?

実は生えたばかりの永久歯のエナメル質は未成熟なのです!
確かに乳歯と永久歯を比べると永久歯のほうがエナメル質が厚く、虫歯ができてもなかなか歯の中の神経まで進行しないように設計されています。
しかし、生えたての永久歯の表面のエナメル質は未成熟で、唾液などに晒されながら成熟して人体の中で最も硬い組織となるのです。

生えたての永久歯は、その環境で強くも弱くもなる最も不安定な時期!
エナメル質の成熟には、唾液中のカルシウムやリンを取り込むことが必要です。歯の表面が綺麗に清掃されていないとうまく取り込むことができないのでしっかりとしたケアが重要です。
また、フッ素を効果的に使うことでカルシウムやリンを効率よく吸収ができ、エナメル質の成熟を手助けしてくれるのでうまく使いましょう。

絶対に削らない!

この時期に初期の虫歯ができたとしてもすぐに削らない!
子供の虫歯の進行は早いので、すぐに削って埋める先生もいらっしゃいます。しかし、考えて欲しいのはこの時期に虫歯になるのは相当お口の中の環境が悪い証拠。いくら治療をしても、その環境を改善しないとすぐに埋めたところが虫歯になるのがオチです。まずはその環境改善が先決ですね!

以前のコラムでお話ししましたが、7歳で虫歯になった歯を削って埋めると45歳で抜歯に至るという統計があります。場合によってはもっと早くに抜歯になってしまったケースも見たことがあります。
まずは環境改善!それ無くしての歯科治療はあり得ません。削る前にその原因を追求してくれるパートナー=かかりつけ歯科医をしっかり見つけてください。

良い口腔内細菌バランスを!

お口の中の細菌バランスは1歳半から2歳半までの間に両親のお口の細菌が伝染することで形成されます。一度、定着した細菌バランスはそう簡単に変わりませんが、この永久歯に生え変わる時期こそが、細菌バランスを一番改善したいタイミングであり最後のチャンスかもしれません。

実はこの口腔内細菌のバランスを改善する方法がいくつかあります!それが3DSとプロバイオティクスという方法です。
簡単にいうと3DSはマウスピースとマウスジェルで口腔内細菌を除菌する方法、プロバイオティクスはタブレットを舐めることで善玉菌を優位な口腔内細菌のバランスを作る方法です。いずれも保険外の治療となるのですが、根本的な治療で実は一番大事な治療なのかもしれません。

永久歯への生え変わりを手助け!

レゴブロック
私も長男の歯の生え変わりをずっと観察してきました。大した治療はしていませんが、虫歯予防・簡単なマウスピース矯正(装置を紛失!?途中で中断されましたが…)・口腔周囲筋機能療法(お口の周りの筋トレ)なんかでそこそこ並んでいます。今は絶賛、次男坊の発音トレーニング中です。
この生え変わりの時期のしっかりとした観察と、ちょっとした治療介入が将来の歯並びの改善に繋がりますので少しご紹介したいと思います。

晩期残存(生え変わりの遅い乳歯)への対応

晩期残存とは永久歯が生え変わる時期に抜けずに遅くまで居座っている乳歯のことを言います。神経に及ぶような虫歯を治療した乳歯(失活歯)、怪我・事故で大きな衝撃が加わった乳歯(外傷歯)、もともと生えている位置がおかしい乳歯(異所萌出歯)などが存在すると、永久歯はその歯を避けて生えようとします。
乳歯は永久歯が生える前の歯並びを維持しているだけではなく、その下の永久歯が素直に生えてくるための道しるべという大きな役割を持っています。
失活歯・外傷歯・異所萌出歯は、その道しるべの役割を十分に果たすことができず、永久歯の正常な生え変わりを障害することが多々あります。こんな時はその歯の生え変わるタイミングに合わせて意図的に抜歯をする必要があります。

過剰歯・先天性欠如

  • 過剰歯=本来生えてくる歯の本数を超えて余分に生えてくる歯
  • 先天性欠如=本来生えてくるはずの歯が存在しない

過剰歯・先天性欠如はエックス線写真を撮影しないと確実なことは言えません。治療前の診断のための撮影でわかることも少なくありません。過剰歯があるとその歯を避けるように変な位置に歯が生えてきます、さらに、先天性欠如があると歯が生えるスペースが余ってしまうため歯並びに隙間ができてすきっ歯になってしまいます。

過剰歯をあらかじめ抜いたり、先天性欠如を踏まえて治療介入を行うことで歯並びの改善を図ることが可能です。

戦略的な乳歯への治療

乳歯の大きさと、その下の生え変わる永久歯の大きさは同じではありません。その多くは乳歯の歯の方が小さいのですが、乳歯20本中8本が実はその下の永久歯より大きいのです。
この乳歯を歯の生え変わりに合わせてその大きさを小さくしたり、適正な時期に抜歯することで永久歯が生えるのを手助けできることもあります。

また、虫歯や外傷によって止むを得ず抜歯になった乳歯を放置しておくと、抜けた歯の隣の歯は傾いてきてその抜けた歯の隙間を埋めようとします。この隙間が小さくなることによって永久歯の生えてくるスペースがなくなり歯並びが悪くなるのです。
この防止策として抜けたスペースを維持し、前後の歯の移動をさせないための器具を作製して、永久歯の正常な生え変わりをコントロールすることが必要となります。

少し専門性が高く、エックス線写真や歯の形態・本数を熟知していないと判断できないようなことがほとんどです。最低でも3ヶ月に一度のチェックはお子さんでも必要だと思います。

前歯が生え揃ったらまずは診断しよう!

にっこり笑う少年少女
上下の前歯が合計8本生え揃うと今後の歯並びの傾向が見えてきます。この時点で明らかに矯正が必要なお子さんもいらっしゃいます。
しかし、なぜ歯が全部生えてもいないのに、歯を並べようとするのか疑問を持たれる方もいるのではないでしょうか?
実は矯正治療は、治療を行う時期で大きく二つに分けられます。

  • 一期治療…成長期に行う治療で主に歯の大きさと顎の大きさの不調和を骨格の成長をコントロールすることで改善するのが目的。
  • 二期治療…成長終了した骨格の中で歯を並べていく最終的な歯並びの治療。顎の大きさと歯の大きさの不調和が大きな場合は、抜歯や顎の手術が必要なこともある。

一期治療だけですべてが改善する事ばかりではないですが、この時期にしか出来ないことも事実です。まずは、歯並び診断からですね!

成長期に行う顎の不調和に対する治療は二度とできない!

私も40過ぎのオッサンですが、今でもたまに身長伸びてないかな〜って計りたくなります。しかし、縮むことはあっても伸びることはありません、過ぎ去った成長期は戻りませんよね…、もっと身長が伸びるようなスポーツしてたら…とか、幼稚園から器械体操なんかしなけりゃよかったと思うことも…。

顎の成長も同じです!この時期に正しく顎の成長を見守ってあげる事が一番の近道で、しかも最後のチャンスです。私自身の歯育てや日々の診療でもこの時期の治療は劇的に改善を認めることが多々あります。前歯がだいぶ生えてきたなーと思う時期に一度診てもらうといいと思います。

戦略的に行うことで抜歯と手術を回避!

上下の歯が8本生えると、漠然とした歯並びのゴールが見えてきます。このゴールが機能的にも審美的にも問題ないのであれば成長期における治療は必要ありません。しかし、残念ながらそんなお子さんは半分もいないかもしれません。見た目は問題なさそうでも機能的に問題があることも少なくありません。
この時期に顎の不調和がある場合、矯正治療を行う大きな利点は二つ。

  • 抜歯の回避
  • 手術の回避

八重歯・受け口の傾向があるお子さんは特に、一期治療=本格的な矯正の際に抜歯が必要であったり、顎を切る手術が必要であったりします。特に受け口の傾向があるお子さんは早めの診断をオススメします!

本格矯正を短縮するために!!

一期治療で歯と顎の不調和を改善すると、その後の二期治療を優位に進めることが出来ます。歯と顎に不調和がある子を二期治療から行うと、まず、その不調和をできるだけ改善する事から始めます。しかし、成長期が終わり骨が硬くなるとうまく行かず時間を要します。矯正治療は、やはり早めにスタートすることが望ましいでしょう。

また、歯並びに影響する癖が残っていると後戻りが生じます。せっかく矯正してキレイに歯を並べても、小さな頃の歯並びに影響する癖を一期治療で治していないと、また後戻りしてしまうのがオチです。矯正治療は「動かす」ことより動かした後にその場に「留める」ことの方が断然難しいのです。

100歳でも自分の歯で!

紳士な老人男性私自身は矯正治療を受けた経験はないですが、私の子育ての経験からもやはり「歯育て」は早ければ早い方が効果があり、ナチュラルでそれぞれの個性が生きた歯並びになるような気がします。

年配の方で歯が多く残っている方は、歯並びがキレイな方がほとんどです。八重歯や受け口の年配の方を見る事はほぼありません。歯をたくさん残すことにも「歯育て」は必ず繋がっています。

人生100年!100歳でも自分の歯で食べるためにも子供の時からの「歯育て」を大事にしてください。

 

 

▼▼これまでのコラムはこちら▼▼
https://selfmedia.club/column/tooth/murakami13/

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