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赤ちゃんのせいにしないで!新米ママに伝えたい、妊娠にまつわるエトセトラ!

2021年3月2日

「あんたを産んでから私は歯が悪くなったのよ」

「子供を産んだ時に歯がボロボロになんたんですよねー」

なんてお話を耳にすることがあります。

 

さて、本当にそうなんでしょうか?   実はこれは古い迷信であって、今でも真実のように語られているもののようです。

当院では妊婦歯科検診を行なっているのですが、そこでママさんたちとお話をしている中で感じることがありました。今回はそんなことをお話したいと思います。

 

赤ちゃんにカルシウムがとられて歯が悪くなる!?

眠る赤ちゃん私の母親くらいの世代の方はこう考えている方が多いように感じます。

実際、付き添いで来られるおばあちゃん世代の方から「私もあんたを産んで、歯がボロボロだわ」なんて言葉を聞くことがあります。

よくよく聞いているとその理論は、「お腹のお子さんが成長する時にカルシウムなどの栄養をたくさん使うことで、自分の歯を強くするための栄養まで使われてしまい、虫歯になったり、歯が折れたりする」というもの。

 

確かにお腹の赤ちゃんに栄養がいきますが、母体にも十分に栄養はいきます。母体が健康でないと赤ちゃんも育ちませんからね。また、歯というものは顎の骨の中でカルシウムリンを使って人体で最も硬い組織を形成するので、歯が生えた後に体内のカルシウムを使って歯が強くなったりすることはないのです。 唾液に含まれるカルシウムリンで、歯は石灰化と再石灰化を繰り返しているのですが、それは赤ちゃんとは別の話ですね。

 

例えば、妊娠中に及ぼす影響として、

  1. ・唾液の性状変化
  2. つわりによる食生活の変化
  3. ・つわりによる食生活の変化
    つわりによる歯磨き不足
    つわりによる嘔吐

などにより、虫歯になりやすい環境になってしまうことは事実です。

しかし、赤ちゃんにカルシウムをとられて虫歯が増えるとか、歯が折れるという事実はありませんので、赤ちゃんのせいにはしないであげてくださいね。歯医者からのお願いです。

 

赤ちゃんのせいで歯周病が進行して歯が抜けた!?

妊娠中のお腹これもよく耳にするお話です。

先ほどお話した虫歯が進行する迷信と同じ理論で、カルシウムが赤ちゃんに持っていかれて、骨がスカスカになり、歯周病が進行してしまうというお話をされる方がいらっしゃいます。 もちろん、そんなことはありませんが、歯周病が進行しやすい環境になることは事実です。

 

これも妊娠による影響ですが、

・ホルモンバランスの変化
・唾液の性状の変化
・免疫力の低下
・つわりによる食生活の変化
・つわりによる歯磨く不足

などにより、お口の中の環境が悪化して歯周病が悪化しやすくなります。

 

特にホルモンバランスの変化・免疫力の低下・歯磨き不足は時に深刻な歯周病の悪化を招くことがあります。妊婦歯科検診でも歯周病による症状を訴える方がいらっしゃいますが、ほとんどの場合が、もともと進行した歯周病をお持ちで、妊娠による変化で症状が表面化するものです。

 

実は、歯周病はお腹の中の赤ちゃんとも深い関係があります。歯周病はお腹の中の赤ちゃんの成長を妨げたり、早産の原因となることがわかっています。 しかも、その胎児に対する悪い影響の危険度は飲酒や喫煙よりも高いと考えられています!

大学勤務時代の話ですが、妊婦歯科検診に来られた方で進行した歯周病がある方を治療していた時、治療の途中に早産で入院することになった経験をしました。決して侮ってはいけないものですので、赤ちゃんの健やかな成長のためにも妊娠前からのケアが大事ですね。

 

妊娠中には治療ができない!?

赤ちゃんと大人の手妊娠中は歯の治療が出来ないと考えている方が非常に多いように感じます。また、そのせいで必要な処置を先送りにしてしまっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

実は、妊婦さんへの治療は可能なんです!確かに制限はあるんですが、妊娠中期(16〜28週、5〜7ヶ月)はほぼ全ての処置を行うことが出来ます。

 

妊娠中の治療で懸念されることとして、

・レントゲンの影響
・麻酔の影響
・歯科材料・薬の影響

こんなところが不安材料ではないかと思いますが、妊娠直後・出産直前以外は影響はないと考えられています。 妊娠中に歯の治療が必要になった場合は、妊娠初期は痛みを軽減するための最低限の応急処置を行い、妊娠中期でしっかりと治療をして、出産を迎えるという流れが理想的だと思います。

 

先ほどもお話しましたが、「妊娠と歯周病」の関係は無視ができないものです。 妊産婦検診に歯科検診が加えられているという事実も、その重要性を表しています。自治体によって多少違うと思いますが、福岡市ではたいていの歯科医院で、妊婦歯科検診を受けることが可能です。

お近くの歯科医院でまず検診を受けて、治療が必要な場合は出産までの期間でスケジュールを決め効率的に治療を行いましょう。お腹のお子さんの成長のためにも歯周病の状態を改善して、出産に備えましょう。

 

妊娠・出産・子育ての心と体のケア

考える人型置物妊娠・出産・子育ては人生の中で最も大きなイベントです。心にも体にもストレスが大きくのしかかることは間違いありません。パートナーや親にそんな気持ちをぶつけることもあるでしょう。そんなストレスをわかって、サポートしてくれる仕組みが社会にはたくさんあります。

 

歯科医院もその一つで、歯科医院は女性が多い職場です。また、妊娠・出産・子育てを経験しているスタッフもたくさんいますし、かく言う私も、二人の男の子をを絶賛子育て中です。そんな経験はこれからママやパパになる皆さんのお役に立てるかもしれませんし、抱えている悩みを話すだけでも楽になるかもしれません。

かかりつけ歯科医院とは、その人の生涯を通じて人生をサポートできるところではないかと思います。

 

最後に妊娠中の手抜き口腔ケアを教えちゃいます!

①歯磨きがツライ時はこまめにうがいをする!
②子供用の歯ブラシでもOK、お口に入れて気持ちが悪くない大きさで歯磨きを!
③歯磨きする時は前かがみで、奥から手前に汚れを書き出すように!
④散歩がてら歯科医院で歯磨きしてもらいましょう!

体の調子が悪い時は思いっきりサボっちゃいましょう。気負わずに出産という大きなイベントを楽しみましょう!誰も悪くありませんからね!

 

 

▼▼これまでのコラムはこちら▼▼ https://selfmedia.club/%e3%83%a1%e3%83%b3%e3%83%90%e3%83%bc%e3%81%ae%e5%a3%b0/column/tooth/murakami18/

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村上弘

村上弘

福岡市早良区飯倉育ちで二児の父、むらかみひろし歯科医院の院長です。 『患者さんにベストと考えられる治療の提供』 『患者さん個別のメインテナンスプログラムの構築と提供』 をコンセプトに地域の皆さんが気軽に通えるような『アートな歯科医院』を開院しました。 これまでの「削る」治療型の歯科医院ではなく、「守る」メインテナンス型の歯科医院です。 歯科医院を歯が痛いから行く場所ではなく、健康であることを確認しに行く場所にしたい。みんなの笑顔があふれている場所になれるようにこれからも発信していきたいと思います。